読売新聞
趣味と実益をかね、さらに好奇心もかき立ててくれるのがカルチャー講座。その数はざっと七千五百にもおよぶ。7月に開講した浦和センターの「つちぼとけ陶芸教室」もそのひとつ。受講生からは「仏教、仏像の説明や法話、それに陶芸と同時に三つのことが楽しく学べる」と好評だ。
 定刻には既に全員が顔をそろえている。各自の机の上には写仏コピーと信楽の陶土がセットされている。 まず、袈裟を着た三浦州道講師が黒板に「帰命頂礼…」などと書きながら、「きみょうちょうらいと読みます。意味はお分かりですか」と話しかける。続いて「今日は陶板に写仏して
いただます」。こんな[口調で仏教、仏像に関する法話が十五分ほどあった。 そして今度は、土仏師の高木柘芳講師(60)にバトンタッチ。高木講師は見本用の陶土を扱いながら、「この土はすぐに使えるように前もって練ってきてありますが、さらにたたいて使います。土に含まれている空気を抜くのと粘りを出すためです」と説明しながら、瞬く間にかわいらしいお地蔵さんを作りあげた。
 講座は月一回の計三回。受講生の大半は四十代から六十代の中高年。手を使うのでボケ防止になると思って」 「仏を作って心の癒しにしたかったから」「陶芸が好きだから」と受講の動機もさまざまだ。 受講生たちは「上手に作ろうという気持ちでなく、心を落ちつかせて取り組んでください」という高木講師の言葉にうなずくとともに、配られた地蔵や観音、道祖神などのコピーを見ながら取り組み始めた。 持ち時間は約三時間。二時間もするころには全員思い思いの作品を作り上げた。中には、父母の供養像や亡き夫の地蔵を作った中年女性や、余った陶土で簡単に作るひねり仏や茶碗花瓶などの生活用品を手がけた受講生もいる。 この日も、前回、ひも作り技法で作り、高木講師の工房で焼き上げた抹茶碗で三浦講師が茶をたてた。受講生たちは「自分の茶碗で飲むのは格別」と言いながら、「陶芸が好きになったヽ自分の世界になかった講座で興味を持った」などとうれしそう。 高木講師は「三年前に地元の静岡県・伊豆で始めたところ、ロコミで広がり、今では東京へも出張指導しています」と、愛好者が広がりつつあると語っていた。
高木講師のつちぼとけ陶云教室は町田センターでも開かれており、受講生が月一回、和やかに「仏」と「士」に親しんでいる


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